画像:荒木 博史(あらき ひろし)さん

アクセス保守部 ケーブルマネジメントグループ リーダー 荒木 博史(あらき ひろし)さん

光インターネット回線の普及により、大容量のデータ通信が発生しやすい動画視聴、オンラインゲームや複数人数でのオンライン会議なども快適に行えるようになりました。 アクセス保守部のケーブルマネジメントグループでは、安全かつ安定した通信に欠かせない光ファイバーケーブルの保守、運用などを行っています。
同グループの荒木さんに、業務内容や心がけている点、今後の目標について伺いました。

光ファイバーケーブルを見守り、通信インフラの基盤を支える

画像:荒木 博史(あらき ひろし)さん

光ファイバーケーブルが破損すると、インターネットが使えなくなるなど、多くの方に影響が出てしまいます。ケーブルマネジメントグループは、QTnetが九州各地に張り巡らせている光ファイバーケーブルの保守、運用、修繕に関する業務を担っています。

光ファイバーケーブルは、局舎から電柱や地中を経由して、各家庭やオフィスに届けられています。皆さまのもとまで物理的に繋がっているため、ケーブルが張られている場所で道路の拡張、橋の架け替え、電柱の移設などがあった場合、工事の妨げや工事による破損を避けるためにケーブルを別の場所に移す必要があります。
工事が決まると、まず協力会社と連携してケーブルの移設ルートを調査。その結果をもとに移設工事の計画を立て、工事が円滑に進むように管理します。

また、ケーブルに損傷がないかを日頃から点検し、土砂崩れや火災などの外的要因によって破損した場合は早期復旧に努めます。災害はいつ発生するかわからないため、夜間の障害当番を設けるなど、24時間いつでも対応できるようにしています。

まず安全、そしてスピード感。協力会社との密な連携が重要に

私は、現場で作業してくださる協力会社に工事の要請先の要望を伝えたり、進捗状況を確認したりといった取りまとめを担当しています。

業務のなかで特に心がけているのは、やはり安全第一であるということです。復旧作業は、雨や雪が降ったからといってやめるわけにはいきません。危険が伴うため、定期的に行う安全パトロールで安全項目をチェックし、危険な要素があれば作業を中断するようにしています。
また、ケーブルを移設する際には一時的に回線を止める必要があるため、現場での作業は夜中に行うことになります。協力会社の方々に、ねぎらいの言葉をかけるなど、感謝の気持ちを直接伝えるようにしています。

画像:安全パトロール後の協力会社さんとのコミュニケーション

一方で、作業のスピード感も大切にしています。工期が遅れないように、スケジュール管理を徹底。協力会社と密に連絡をとって進捗状況を把握し、毎月の定例会議でも積極的に情報交換をするように心がけています。
土砂崩れなどの非常災害時は、やはり気が張ります。場合によっては現場まで足を運び、被害状況を確認しながら、協力会社と対処方法を話し合います。無事に復旧できて、要請先から「早期復旧ありがとうございました」と感謝された時は、とてもやりがいを感じます。

障害が起きてからではなく、「攻める保守」で事前に対策

画像:荒木 博史(あらき ひろし)さん

アクセス保守部では、「攻める保守」をスローガンに掲げています。障害が発生してから対応するのはもちろんですが、障害を発生させないことを前提に保守業務を行っています。

光ファイバーケーブルが損傷を受ける例として、鳥が突いたり蟻がかじったりといった、生き物による食害があります。また、海に近い場所では、電柱にケーブルを吊るすために使う鉄線が、塩害で錆びてしまうことがあります。

このような損傷を未然に防ぐため、例えば専用のケーブルを取り付けて鳥がとまれないようにするなど、事前に対策を講じています。さらに、過去に起こった障害を分析して、対策に役立てるようにしています。

また、現場を想定した研修を定期的に実施することで、ケーブル工事に関する技術力を磨き、障害時の的確な対応力向上に努めています。

光インターネットの利用者が増えるに連れて、光ファイバーケーブルの量も増えてきています。それに伴って、保守の作業量や工事にかかる費用も増えてきました。すでに、復旧作業にドローンを導入する試みもありますが、作業の効率化に向けて、さらに新たな手法を考えていかなければいけません。
これからも、地域の皆さまが快適に光インターネット回線を利用できるように、日々の業務に精一杯、取り組んでいきたいと思います。

画像:QTnet

株式会社QTnet
アクセス保守部 ケーブルマネジメントグループ

荒木さんは以前、九州の通信ネットワークICTシステムを見守るサービスオペレーションセンタービル(SOCビル)に在籍していました。そこでの障害対応の経験は、現在の保守・運用業務にも役に立っているといいます。私たちが何気なく利用している通信サービスの裏には、光ファイバーケーブルを守るスタッフの豊富な知識と高い技術、ひたむきな思いが隠されていました。

バックナンバーへ戻る