新年明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたか?年末年始は美味しいものが多くて、あれもこれもとついつい食べ過ぎてしまいますよね。そんな豪華な食事に幸せな気持ちになりますが、胃腸が悲鳴を上げてしまうことはありませんか。そんな時は一月のある風習で胃腸を休ませてあげましょう。
一月のある風習とは「七草粥」です。どのような意味があるかご存知でしょうか。七草粥を食べる風習は、中国から始まったそうです。中国の前漢(紀元前206〜8年)の時代に、「元旦は鶏、2日は狗(犬)、3日は猪、4日は羊、5日は牛、6日は馬、7日は人、8日は穀」と、日にちを動物や人に見立てた占いが行われていました。唐の時代になると、1月7日の「人日(人の日)」に「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という七種類の野菜を入れた汁物を食べて、無病息災を祈っていたそうです。その風習が日本に伝わり、かつてお正月に若菜を摘んで食べる「若菜摘み」という風習と結びついて、現在の七草粥のスタイルになったと言われています。
七草粥は無病息災を願って食しますが、お正月のご馳走で疲れた胃腸を休ませるという理由もあります。春の七草はセリ(芹)、ナズナ(薺)、ゴギョウ(御形)、ハコベラ(繁縷)、ホトケノザ(仏の座)、スズナ(菘)、スズシロ(蘿蔔)です。これらには、解熱や利尿作用があるもの、腹痛や歯槽膿漏に効くものがあり、消化を促進し便秘を解消する、胃を健康にする、整腸作用がある、などお正月を過ごして酷使された胃腸の回復を助けてくれます。
飽食の時代に生きる私たちは日常的に「ご馳走」を食べています。ですから、時々お粥を食べたり、半日くらい断食(ファスティング)をして胃腸を休ませることも大切です。本格的にファスティングをしたい方は3〜7日間がオススメです。人によって最適な日数は異なりますが、私は5日間のファスティングを行いました。体もすっきり快適で、終わった後は5歳は若返ったと思うほど、肌がつるつるになりました。何より素晴らしいのは思考がクリアになることです。空腹の快適さをぜひ一度体感して頂きたいです。さらに、食べないことで時間も有効に使え、仕事もとてもはかどりました。準備食や回復食も大切ですので、初めてファスティングをする方は、専門家に指導して頂いてくださいね。
食べ物を消化・吸収するというのは、他の生き物の命を自分用の材料に作り変えていくこと。体にとっては「非日常」の一大イベントです。細胞は食べ物を摂らない「日常」の時間に体のメンテナンスを行います。太古の昔、人類は常に飢餓と戦ってきました。私たちの体は食べないことに強くできています。意図的に「食べない時間」を作って、細胞に体のメンテナンスをしてもらうことが健康長寿の秘訣ではないかと思います。
プロフィール
食育プロデューサー。一般社団法人The Organic Days 代表理事。“Food・Health・Education”をテーマに、イベントや講演会を多数企画。オーガニックハーブティーなどオーガニック商品のプロデュースも手がけ、子供たちの食を考える「ふくおか食育の会」の代表も務める。またオーガニック食材を日常のものにするために2019年の秋より福岡・天神にて「福岡オーガニックマルシェ」をプロデュース、好評を博す。持続可能な社会を目指す取り組みの1つとして「オーガニック」の普及を地元企業と連携して進めながら、学校給食でもより安心安全な食材を使用できるよう活動を続けている。
https://sola-organic.com/