Vol.4 調味料の選び方

 まだまだ残暑厳しい毎日ですが、夏バテなどしていませんか?暑いからといって冷たいものをどんどん摂っていると内臓が冷えてしまい、余計に疲れやすくなります。私はお水を飲む時はいつも常温です。レストランなどでも必ず氷抜きのお水をお願いします。世界的に見るとお冷に必ず氷が入っているのは日本くらいかもしれませんね。冷房には気をつけていても、体の中を冷やさないようにするのは意外と意識していないかもしれません。

 さて前回、健康的な食生活のためには、まず調味料を変えることをオススメしましたが、では具体的にどんなものを選んだら良いのか、ひとつずつ見ていきたいと思います。
 「砂糖」は三大栄養素の中の炭水化物(糖質)の1つです。甘みの中で一番に気をつけなければならないのは、実は合成甘味料でしょう。合成甘味料には、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、またブドウ糖果糖液糖などが挙げられます。カロリーゼロの商品やさまざまな清涼飲料水に含まれています。これらの合成甘味料は、砂糖の130〜600倍の甘さがあり、コストの安さと便利さで多用されていますが、血糖値を急激に上げ、糖尿病やがんの原因の1つになっていると言われています。白砂糖は精製されているため、ビタミン、ミネラルが含まれていません。純粋な甘味なので、扱いやすく、味も決めやすいのですが、体のことを考えると栄養素豊富な黒糖やキビ砂糖を使用したいもの。黒糖は味が独特なので、一般的に使用する場合はキビ砂糖がオススメです。

 「塩」は美味しさを決める一番のポイントとなる調味料です。自然な塩が良いと言われていますが、どうやって見分けたらよいのでしょうか?塩は、岩塩、海塩、湖塩、藻塩など種類も様々ですが、海に囲まれた日本で馴染み深いのはやはり海塩です。海塩を選ぶ際には、商品に記載されている「工程」をチェックするとよいでしょう。工程にはイオン膜、溶解、逆浸透膜、浸漬、天日があります。工業的(イオン膜)に作られた精製塩は塩化ナトリウムの濃度が高く、ミネラルがほとんど含まれていないので体にとても負担がかかります。太陽または風力の自然エネルギーを利用して、水分を蒸発させて塩を作る「天日」の塩が一番自然に近く、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラル分も豊富でオススメです。

 「酢」はお酒が酢酸発酵したものです。日本酒は米酢に、ワインはワインビネガーに、アップルタイザーはリンゴ酢に、醸造アルコールは穀物酢になります。選び方としては、米酢の場合は「純」がついているもの。また原材料が米だけのもの、製法が静置発酵のものが良いですね。もちろんアミノ酸などの添加物が入っていないものを選びましょう。

食育プロデューサーの石橋さとこ

プロフィール
食育プロデューサー。一般社団法人The Organic Days 代表理事。“Food・Health・Education”をテーマに、イベントや講演会を多数企画。オーガニックハーブティーなどオーガニック商品のプロデュースも手がけ、子供たちの食を考える「ふくおか食育の会」の代表も務める。またオーガニック食材を日常のものにするために2019年の秋より福岡・天神にて「福岡オーガニックマルシェ」をプロデュース、好評を博す。持続可能な社会を目指す取り組みの1つとして「オーガニック」の普及を地元企業と連携して進めながら、学校給食でもより安心安全な食材を使用できるよう活動を続けている。
https://sola-organic.com/

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