『北天神シネマルシェ』
皆さま、はじめまして。KBCシネマ支配人の宮定貴子です。
今後、当館にて上映予定の作品を、こちらで折に触れてご紹介することになりました。
限られた本数になりますがしっかりとセレクトして参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
『82年生まれ、キム・ジヨン』
10月9日(金)公開
- ※上映期間は都合により変更になる場合があります。
- ※新型コロナウィルス感染症に関して、今後も状況によっては変更が生じる可能性が十分ございますので、ご来場の際には最新の情報を当館ホームページにて事前にご確認いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
ストーリー
出産を機に仕事を辞め、一児の母として専業主婦となったキム・ジヨンは、今年33歳になる。極々普通で一般的な生活をしているように見えたある日、突然、彼女は別の人格が憑依したような言動を見せる。妻の異常に直面し驚愕した夫は、その時のことを全く覚えていない妻本人に事実を伝えることもできず、一人思い悩み、そして知り始める。いったい何が彼女の精神に歪みをもたらしたのか――。
韓国で2016年に刊行され、100万部を超える異例の大ベストセラーとなり社会現象を巻き起こした原作は、日本でも大きな話題となりました。多くの人の共感を、そして反発をも呼んだそのテーマは、ずばり、女性として生きることの現実です。
本作は、家父長制度がいまだ根強く残る韓国の現代社会を背景に、一人の女性の半生を描いています。原作の物語は、読んだ人々のあらゆる反応から女性観のリトマス試験紙と呼ばれ、映画化に際しても韓国で大きな注目を集めました。女性の日常に、人生に散りばめられた大小様々な形の理不尽を、静かに摘発していくかのように重ねられていく映画のシーンは、サスペンス映画のように刺激的でも、ロマンス映画のようにドラマチックでもありません。にも関わらず、淡々と映し出される主人公キム・ジヨンの半生とその夫婦の姿は、観た人自身の経験と胸の内に蔦のように結びついて、観た人の心に何かを抱かせずにはいられないものになっています。それが女でも男でも、映画を観終わった後には、きっと誰かと語り合いたくなると思います。ねえ、あなたはどう思った?と。
キム・ジヨンを演じたチョン・ユミ、その夫を演じたコン・ユの二人は、2016年に大ヒットした『新感染 ファイナルエクスプレス』でも共演しており、3度目の共演にして初の夫婦役に挑戦しています。韓国の今を知ることができ、日本の今についても気づきの得られる、老若男女に勧められる一作です。ぜひ劇場でご覧ください。
応募期限
10/9(金)〜10/26(月)10:00