Vol.1 椅子に座るのは右から?左から?

世界で一番、国民の座っている時間が長いのは、どの国でしょうか?
イギリス?フランス?アメリカ?
いえいえ。実は、我が国「日本」なのです。

シドニー大学の調査によると、世界20カ国の総座位時間の平均が300分/日に対して、日本では420分/日と平均から2時間も多い結果となったそうです。
さらに昨年からのコロナ禍でおうち時間が増え、ますます座る時間が増えた、という方も多くいらっしゃると思います。

そんな「世界一座っている私たち」ですが、椅子に『世界共通のマナー』があることをご存じでしょうか?

「椅子に座るのは右から?左から?」の正解は「左から」です。

日本古来の習慣では、
・右大臣よりも「左大臣の方が上位」
・和食の配膳では、「ご飯は左、汁物は右*」「お魚の頭は左」
(*諸説ありますが、昔はお米で納税したり石高を量ったり、とお米は貴重な存在だったため、と言われています)
などのように、「左上右下(さじょううげ)」という「左上位(自分から見て左側に上位の方がいらっしゃる)」のマナーのもと、立ち居振る舞われていました。
しかし、明治時代に西洋文化が日本に入ってきてからは、西洋の「右上位」のマナーが定着していった、と言われています。

昔は西洋でも日本の武士と同様に剣を左腰に差しており、右側から座ろうとすると剣が邪魔で座りづらいため、「椅子に座る際は左から」というマナーができたそうです。昔はおそらくただ単純に座りやすいから…という理由だったものが今では立派なマナーになるのですから、面白いですよね。また、右上位の考え方からも、右に自分より上位者がお座りになるので、右から座ったり立ったりすると、上位者のお邪魔になってしまいます。ですので、椅子に座ったり立ったりする際は、「左から」がマナーとされています。

最近は、外食をする機会や結婚式にお招きいただく機会がめっきり減った、という方が多いかと思います。次に行く機会が出来た際にスマートに立ち居振舞えるよう、日頃から椅子に座る際は「左から」を意識してお過ごしになってみてはいかがでしょうか。


経営者コンサルタント 高山 友紀子

高山 友紀子

プロフィール
私立明治学園小・中・高等学校、福岡女学院大学卒業。
大学卒業後10年以上にわたり、九州電力をはじめ福岡地場企業にて役員秘書、ITベンチャー企業で社長秘書兼総務部長として勤務。その経験を活かし、2020年に合同会社Office Fierte(オフィス フィエルテ)を設立。法人向けにオンライン秘書サービスや企業研修(新入社員研修、管理職研修、コミュニケーション研修、接遇研修など)、個人向けにパーソナルプロデュース(見た目、立ち居振る舞い、話し方のマンツーマンでのトータルプロデュース)を提供している。特に、就活生、婚活者、営業職、経営者、子供をお受験させる保護者など、福岡県内外からパーソナルプロデュースの依頼が絶えず、数ヵ月先まで予約が埋まっている。

福岡アナウンススクールアナウンサー受験講座終了。
NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師。
NPO法人日本サービスマナー協会接客サービスマナー検定認定校。

https://www.office-fierte.com/
https://www.instagram.com/office_fierte/

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