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大人のライフスタイル

2024年10月

身近な環境を整えて心も体も健康に

クエスチョン

片付けを始めるきっかけとして、最も多いものはどれでしょう?

気分を変えたいから

家族に注意されたから

人に見られるから

画像:心と体を整える!『感じる呼吸法』でストレス対策

住んでいる場所が綺麗でスッキリしていると、気持ちも良く、家族やお客さんにも喜ばれますね。掃除や片付けには、心と体に非常に多くのメリットがあります。
秋の夜長に自宅で過ごす時間に、暮らしの環境について見直してみるのはいかがでしょうか。

アンサー

では、答えはどうでしょうか。

答えは・・・1の「気分を変えたいから」

多くの場合、気持ちを切り替えたい時に片付けを始めます。家族に片づけなさいと言われる、人が家に来る時よりも、自分の気持ちを安定させる為に片付けを始めることが多いのです。
実際に散らかっている部屋で過ごしていると、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが高くなります。だから、人は無意識に部屋を片付けてストレスを減らそうとするのかもしれません。
片付けはストレスを減らす効果のある、楽しいものです。誰かに注意されるとマイナスのイメージを持ってしまい、かえって片付け習慣が身に付かなくなります。家族が片付いた部屋にいることが心地よいと感じられるように、家族がお手本を見せましょう。

そこで今回は、片付けや掃除を中心に心も体も元気でいるための方法をお伝えします。

心身を元気にする環境改善ポイント5つ

point1窓拭き

画像:窓拭き

家の窓が汚れていると部屋の中は薄暗くなり、外の景色も美しく見えません。窓をきれいにすると太陽光が入りやすくなり心も幸せになります。太陽光によって分泌が増えるホルモン、セロトニンは心を安定させ、朝の体を目覚めさせる原動力となり、夜は寝つきが良くなるメラトニンへと変換されます。
窓をキュッキュッとリズミカルに吹くことで、さらにセロトニンは分泌が促進されます。晴れた日には窓拭きをやってみましょう。

point2換気

部屋を締め切っていると人の呼気中の二酸化炭素が増え、湿気が溜まってカビやダニなどが起こりやすくなりホコリも溜まります。それらはアレルギー性皮膚炎や喘息の原因となります。また、換気が不十分だと自分自身や家族、同居人が外から持ち込んだ病原体による感染症のリスクも上がるのです。
風が涼しくなるこの季節は毎朝窓を開け放ち、新鮮な空気を取り込みましょう。きれいな空気を感じると、自然と呼吸が深くなり心身のリラックス効果もあります。

画像:換気

point3トイレ掃除

画像:トイレ掃除

本田宗一郎さんや松下幸之助さんはトイレ掃除を大切にしていました。仏教では「不浄の掃除は心の浄化」と言い、煩悩や心の苦しみも洗い流すことができると言われています。
トイレは小さな閉鎖空間ですから、空気がよどんでホコリやチリが溜まりやすいところです。一方で、狭い空間だからこそ掃除がすぐに終わり、きれいになるのを実感しやすいことでしょう。こまめに行うと排泄物の汚れも付着しにくくなり、快適に使用することができるようになります。

point4不用品を捨てる

着なくなった服や読まなくなった本など、家中に不用品があふれていては、いつまで経っても家は片付きません。物にあふれた環境では、視覚から入る情報がきっかけになって様々な思考が湧き、脳が疲労します。思い切ってものを減らせば、雑念が減って脳の疲労が軽くなります。

画像:不用品を捨てる

point5家電の掃除

家電の掃除

エアコン、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器などの家電は、毎日使うのに意外と掃除が後回しになりがちです。季節の変わり目には、いつも頑張っている家電に感謝の気持ちを込めてきれいにしましょう。「感謝」は幸福感を上げるのにとても有効であることが報告されています。
夏が終わり、エアコンのクリーニングをするのにもってこいの時期です。カビや汚れの取れたエアコンで、冬にはきれいで暖かい空気を部屋に送り込みましょう。電気代も節約できます。

解決のためのワンポイント

環境改善する気になれない・・
そんな時のワンポイントアドバイス!

朝のベッドメイキング

画像:朝のベッドメイキング

元気がなくて頑張れない時でも、朝のベッドメイキングだけは丁寧に行ってみましょう。枕を真っ直ぐに整え、シーツはシワのない状態にピンと張って、掛け布団はきれいにふんわりと整えます。整ったベッドを見てスッキリとした気持ちになるでしょう。そして、夜疲れて帰ってきても、心地よく眠ることができるのです。頑張った1日の終わりに、自分へのご褒美を用意してあげるつもりで1分の完璧ベッドメイキングをしてみませんか?

画像:山下あきこさん
山下あきこ(やました・あきこ)

医学博士、内科医、脳神経内科医、抗加齢医学専門医、産業医、米国神経学会会員。
現在、医療法人社団如水会今村病院に勤務。人々が幸せと健康づくりを楽しむ社会を目指し、診療活動を続けながら執筆やセミナー活動を行なっている。「ホンマでっか!?TV」や「Z I P!」などのテレビ出演も多数。著書に「やせる呼吸」「こうすれば夜中に目覚めずぐっすり眠れる」「死ぬまで若々しく元気で過ごすための賢い食べ方」「『やめられない』を『やめる』本−脱・依存脳」などがある。