あっという間に夏が過ぎ、秋の足音ももうすぐそこ。少し遠くへお出かけしたいな〜と思った時、今いちばん行きたいのは解放感抜群の、非日常を楽しめる場所でした。視界いっぱいに広がる空と緑、海の青さに日常を忘れてホッとひと息つけませんか? 天気が良い日にこんな場所でお食事できたら最高です。
※記事は2021年10月8日時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります。
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「千綿駅」へは長崎〜佐世保間の駅を結ぶJRのシーサイドライナーで行こう! 30年前に改築したが昭和初期の木材を使ったレトロな風合いが魅力的
海が見える木造の駅舎としてSNSで話題になり、今ではオシャレなフォトスポットとして名前が知られるようになった「千綿駅」。ホームの前には大村湾が広がり、晴れた日は遠くに大島が見える。取材したこの日、平日にもかかわらずホームにはカメラやスマホを構えた多くの人たちがスタンバイ。海を背景に電車や人物を撮影したり、動画を撮るなど、明るい声で賑わっていた。駅舎の中にある「千綿食堂」の代表・湯下さんこそ、この駅を一躍有名にした仕掛け人だ。
土日は2時間待ちすることもあるので、時間帯を外して出かけるのがオススメ。駅舎の中は、ランチのピーク時のみ食堂利用者が優先となる
駅舎がまるごと飲食店という形態は、全国的に見ても珍しい試みだ。今でこそ、この景観と湯下さんがつくるスパイスカレーを求めて多く訪れるようになったが、開業前の6年前は事情が違った。「暗くて寂しい駅だったため、地元の人たちからはマイナスからのスタートだと言われていたんです」。10時57分。電車が接近する音楽が流れると、そろそろ開店の時間。店の外に並んで今か今かと待ちわびる人たちの様子を見ていると、地元客も多いことが伝わって来た。
香草も合わせると常時20〜30種類のハーブを使っているスパイスカレー。鮮やかなビジュアルに気持ちが高鳴り、心が華やいでしまう!
15年前からスパイスカレーを研究し続けてきた湯下さん。フードメニューは『日替わりのスパイスカレー(1100円)』のみで、この日はスパイスの香りがガツンと広がるキーマカレーだった。見た目は肉々しいのに軽やかな味わいで、ターメリックライスの周りにある副菜が口の中で調和し、マイルドな口当たりに。のんびり食事をしていると、時計の針は16時を差し、海の色が夕方の光を帯び始めた。駅舎に注ぐ秋の光は淡く、穏やかな空気が流れている。
訪れたのは、
0957-46-0961
JR「千綿駅」の駅舎内(長崎県東彼杵郡東彼杵町平似田郷750-3)
11:00〜売切れ次第終了(17:00〜18:00頃)
火曜・水曜休
https://tabelog.com/nagasaki/A4204/A420402/42009984/
左手には別府湾、右手には佐伯方面が見える。「これから冬にかけて空気が澄んでくるので、夜景が一番キレイな時期になるんですよ」と店長
なんという開放感だろう! 奥にある港には、大分を代表するフェリー「さんふらわあ」が見える。大分市内を一望できるこのレストランは夜景がキレイな店として知られているが、昼間の景色も美しい。店内で流れている透き通った歌声の音楽を聴いていると、自分も透過されていくような心地になる。店のフロアは4段に分かれていて、どの席からも眺望は抜群! 晴れた日は四国まで見えるそうだ。金曜の夜はギターの生演奏もあり、大人の時間を演出してくれる。
今回いただいたオムライスを一言で表すなら、まさに「日本人が大好きな味!」。オムライスだけど和食のような味わいも楽しめる一品だ
「オムライス屋のオムライスが引き立て役になってしまうほど、お肉がおいしいんです」と店長が『柔らか牛赤身ステーキオムライス(1710円)』を運んできてくれた。鉄板の上で湯気とともにジュージューとおいしそうな音を立てるライブ感が食欲をそそる! カットして肉を頬張ると、身がしまっていてあっさりとしていて、あっという間に口の中からいなくなってしまった。ガーリックバターや2種類のソースも絶品だが、わさびとの組み合わせがたまらない・・・!
ビーフライスは、鉄板の上に載っている肉汁やソースと絡めると味が染みて旨み倍増! このオムライスを注文する年配の人も多いというが納得の味だ
「次はオムライス〜♪」と卵とごはんをすくって口に運ぶと、ごはんに少し甘みがあることに気づいた。ごはんをよ〜く見ると、細かく割いた牛肉が入ってる!?「大分は鶏めしが有名ですが『Dish』でも大分らしさを出したくて、オムライスに使うごはんは豊後牛とごぼう、しいたけで甘く炊いたビーフライスを使っているんです」とのこと。ごはんの下の部分は所々が“おこげ”になっている! 少し濃くザクザクとした食感が、まるで口福のさえずりのようだった。
訪れたのは、
097-532-2110
大分県大分市八幡東茶屋台1933-85
11:00〜O.S.21:00
12/31、1/1のみ休み
https://dishhonten.owst.jp
アクセス_JR「西大分駅」から車で約7分
日本とスリランカ(スリランカの旧称・セイロンの漢字名は「錫蘭」)の融合という意味で名づけられた「ひすず」
福岡県・篠栗町にある若杉山の緑で覆われた場所に、スリランカカレーのレストランが7月にオープンした。天然木とガラスをふんだんにあしらった美しい建物で、日中は風にそよぐ緑を眺めながら、夜はライトアップした幻想的な空間で食事ができる。店を切り盛りしているのは、スリランカ人のスタッフたち。これからの季節は、テラス席で澄み切った空気を存分に感じながら食事をするのも楽しそう! 非日常を感じられる、フォトジェニックなスポットだ。
薪を使った独立型の厨房でお肉を焼くニランタさん。スリランカは日本と風土や主食が似ていて、親日家が多い
右奥の窓際が、この店の特等席だ。木枠の窓の向こうを眺めていると、芝生に敷いた真っ白なアプローチの上を、カレーを持ってゆっくりと歩くスリランカ人スタッフの姿が目に入った。カレーを運ぶその演出は美しく、何度眺めても優雅な気持ちにさせてくれる。数種類あるカレーの中から今回選んだのは、鉄板に載った赤身肉が食欲をそそる『和牛サガリステーキカレー(前菜付き、3500円)』。カレーとお肉のどちらから食べようか、迷ってしまうほど心がときめく。
『博多地鶏』と『さんきょうみらい豚』のステーキカレーもいただいたけどどれも絶品で、お肉だけでお腹いっぱいになりそうなボリューム!
スリランカカレーとはココナッツミルクが入っているのが特徴で、「ひすず」では12種類のスパイスを配合。旨味やコクとスパイスが調和し、スープカレーのようにサラサラとしている。ごはんの横に添えてある、軽く塩茹でしたトマトを崩して一緒に頬張ると、さらにまろやかな味わいに。まるで、トマトが調味料の役割も果たしているよう! 口の中に入れるとすぐに噛み切れるやわらかなサガリは、あっさりとした口当たり。あぁ、お肉の旨味で心が満たされていく…。
訪れたのは、
092-948-5770
福岡県糟屋郡篠栗町若杉辻952-1
11:00〜O.S.14:00、16:30〜O.S.19:30
不定休
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400303/40058057/
アクセス_JR「篠栗駅」から車で約5分