Vol.12 森光牧場 森光 力さん

発祥はインドなことを忘れてしまうほど、わたしたちの日常に当たり前のように溶け込んでいるカレー。カレーほど懐の深い食文化はないのかもしれません。今月はそんなカレーにフォーカス! 肉好きな人も満足するカレーや福岡とバングラディシュをつなぐカレー、日本の食文化と溶け合う3つのカレーをご紹介します。

※記事は2021年5月14日時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります。
表記の金額はすべて税込価格となります。

肉好きのためのスペシャルランチカレー「博多焼肉 明治屋 古門戸店」


九州産黒毛和牛のヒレやサーロインはもちろん、イチボやランプ、トモサンカク(ヒウチ)、シンシン(マルシン)などの厳選部位を楽しむことができる

岡広しと言えど、肉好きとカレー好きの両方を満たすカレー屋はどのくらいあるだろう? 福岡市早良区にある精肉店「明治屋」。この店が手がける直営店が「博多焼肉 明治屋 古門戸店」だ。夜は焼肉店だが、昼は近くのオフィスビルで働く人たちがサクッとランチができるメニューが並ぶ。自分たちが手がけるお肉のおいしさを味わってほしくて店を開いたというが、それは『ビーフステーキ丼』などのランチメニューにも表れている。


『ライターのわがままカレー(1500円)』はメルマガ配信日の翌日5/15(土)〜6/12(土)までの期間限定。要事前予約となっている

総料理長の福永さんがつくる『隆士のカレーライス』は、約10種類の肉と30個の玉ねぎをトロトロになるまで煮込んだ欧風カレーで、ひと口目は甘いのに、後からピリッと辛さが追いかけてくるまろやかな味わいが人気だ。このカレーをベースに時々つくっている創作コラボカレーはSNSで話題となっていて、今回、BBIQ LIFEメルマガのために期間限定メニューをつくっていただいた。それが『ライターのわがままカレー』だ。


土曜のランチは友だちや家族連れの姿を多く見かける店内。2階はテーブル席となっている

欧風カレーとひき肉たっぷりキーマカレーのあいがけで、中央には色鮮やかなイチボが4枚盛られている。これぞ、肉屋が挑むカレー! 口の中でとろけるイチボは、カレーと合わせても良し、肉と白ごはんで食べても良し。実はイチボをめくるとあるものがひょっこり顔を出すのだが「それは、来てからのお楽しみ!」と福永さん。さて、肉の下には何が隠れているのでしょうか!? 6/12(土)までのメニューなので、食べ忘れにご注意を!

博多焼肉 明治屋 古門戸店

092-261-2900

福岡市博多区古門戸町2-2
11:30〜O.S.13:40、17:30〜O.S.22:30(※日曜はランチ休み)
※5/31(月)まで時短要請のため、夜は17:00〜20:00
第3日曜のみ休み
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40045090/
アクセス_福岡市営地下鉄「中洲川端駅」、「ホテルオークラ福岡」から徒歩約2分

スパイスで元気になるカレー「ハイダル」


14種類のスパイスとトマト、鶏肉、グリンピースを煮込んだ『スパイスチキンキーマカレー(1540円)』。サラダとチャイが付いてくる

と口食べて、目がシャキーン! 鼻孔と口からスパイスの香りがフゥ〜っと抜けて、身体の奥底からフツフツと力が湧いてくる。ひたすら黙々と食べていると、カレーに入っている5〜6種類のナッツが辛さを中和していることに気づいた。冷たい水で喉を潤し、呼吸を整えて、再びひとさじすくって頬張る。サラダをカレーの器に入れて一緒に食べると今度は違う味が楽しめる。はぁ〜、このスパイシーな刺激で心が一気に元気になった。


ハイダルさんが5年前にバングラディシュから招いたシェフのジャラルさん。辛さに自信がある人は『ハイダル薬膳カレー(チキン)』を頼んでみよう!

つい先日、ハイダルの『薬膳ローストチキンカレー』を食べたばかりなのだが、このカレーは味がまったく違う。オーナーのハイダルさんによると、メニューごとにスパイスを使い分けているため味はそれぞれ異なり、またスパイス以外は塩のみで味を調えているという。もともとは、バングラディシュにあるハイダル家の家庭料理を再現したのが始まりだったが「今ではお母さんがつくるカレーよりもスパイシーになりました(笑)」と話す。


「バングラディシュを日本のような貧富の差が少ない国にしたい」とハイダルさん。無医村である地元に診療所を建設する目標を4年前に達成した

食後、チャイが口の中を甘くやさしく包み込んだ。その表情を見て取ったのか、ハイダルさんは「砂糖は一切入ってないんです。コレ、練乳と粉ミルクの甘み」と言った。バングラディシュでは誰もが毎日カレーを食べるという。その話を聞き、店のカレーを全種類食べてみたい衝動に駆られた。日本とバングラディシュをつなぐハイダルのカレー。まだ見ぬ異国に想いを馳せつつ「次に来る時はどのカレーを食べよう?」とワクワクしてきた。

ハイダル

092-714-0758

福岡市中央区警固2-9-10
11:00〜15:00、17:00〜22:00
※5/31(月)まで時短要請のため11:30〜15:00、17:00〜20:00
火曜休
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40025012/
アクセス_西鉄バス「警固町」バス停から徒歩4分

和テイストのおいしさがたっぷりと入った「米とカレー」


西新商店街のメイン通りから一本横に入った「おもしろ21通り」の一角にある、昨年オープンした新店。バイカラーの遊び心あふれるのれんが目印

い店名が心に刺さる。コンセプトは「日本人だからおいしいと思うカレーライス」。日本産のお米と和テイストの旨みにこだわったカレー屋だ。「粒がしっかりしているお米はカレーとの相性が良く、一方で日本人が好むのは食感がもっちりタイプのお米と言われています。この2種類と国産ブレンド玄米の3種類から食べたいごはんを選ぶことができるんです」と店長。白ごはんのおいしさを意識してしまうこのキャッチーな切り口に脱帽!


白米は3〜4ヵ月に一回入れ替わり、5月は粒がしっかりした島根県産の「きぬむすめ」と、粒がもっちりとした大分県産の「ヒノヒカリ」を用意

席に座ったらオーダーシートに記入。ベースとなるカレーは3種類あるが、この日は一番人気の『キーマとビーフ』をセレクト。お米とカレー、スパイスの量や辛さなどその日の気分でカスタマイズできるのも面白い。トッピングの「削りたてのかつお節」と「きざみねぎ」はありなしを選択できるが、「あり」を選ぼう。ねぎの小刻みな歯触りが心地よく、かつお節の味わいが意外にもカレーとの相性が良いことを初めて知った。


卵黄の上に載っているのはチーズで、カレーの左奥にあるのは大根と人参、レンコンをスライスした自家製の福神漬け。酸味と甘みが控えめであと口にぴったり

カレーを口に運んだ瞬間、ふわぁと押し寄せるように包み込んでいくやさしい匂いとまろやかな味わいが喉にスーッと通っていく。心がホッとするこのアロマは醤油だろうか。カレーは、牛骨を炊き出したスープにルーとスパイスを配合して仕上げているそう。サクッと軽やかで甘みのあるトッピングのカニクリームコロッケもおいしく、カレーとの味のコントラストも抜群。次回の来店時もカニクリームコロッケをトッピングしようと決めた。

米とカレー

092-836-8775

福岡市早良区西新5-4-14
11:30〜21:00
※5/31(月)まで時短要請のため11:30〜20:00
不定休(5月は月・火曜休)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400203/40055094/
アクセス_福岡市営地下鉄「西新駅」から徒歩約5分