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九州のおでかけ情報 2024.04

今月は鹿児島県
島津家の歴史に触れる春の旅にでかけませんか。

画像:島津家の歴史に触れる春の旅にでかけませんか。

島津氏は南九州の氏族として、多くの大名の中でも鎌倉、室町から江戸、現代まで名門として続く稀有な家。幕末には、西洋帝国主義に対抗すべく、28代・島津斉彬の時代に洋式製鉄、造船、紡績を中心とした近代産業を興し、現代への礎を築いた。今も残された薩摩・島津家の伝統、文化に触れてみませんか。

※記事は2024年4月9日時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります。
※表記の金額はすべて税込価格となります。

島津家が残した遺産鹿児島県鹿児島市

開明的な島津の当主たちが薩摩の地で実行していたことを、今も肌で感じることのできる施設を紹介。桜島を眺めながら島津家の偉業を確かめよう

広大なスケールを誇る美と静寂の庭

名勝 仙巌園 (せんがんえん)

画像:名勝 仙巌園
万治元年(1658年)に島津家19代光久によって築かれた島津家の別邸。雄大な桜島を築山、錦江湾を池に見立てたスケールの大きな庭園で、28代斉彬(なりあきら)や篤姫など多くの人を魅了してきた。約1万5千坪の広大な庭園には、四季折々の花々が咲き誇り、大名家ならではの催しも開催され、季節ごとに様々な表情を見せる。ガス灯の実験に使用された鶴灯籠や、反射炉跡など、見どころ満載。19代光久が別邸として庭園を構えてから、歴代の当主に受け継がれてきた庭園は、国内外の要人をもてなす迎賓館としての役割も果たしてきた。
画像:名勝 仙巌園

「御殿」は明治17年(1884年)に改築された部屋を中心に、当時の3分の1が残されている。さらに島津家800年の歴史を学べる「尚古集成館」(現在、本館は工事のため閉館中)や、見学可能な薩摩切子工場が隣接。「仙巌園」が位置する磯エリア一帯は日本の近代化を推し進めた薩摩の人々の物語を感じることができ、平成27年(2015年)に「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された。

画像:名勝 仙巌園

また薩摩の伝統文化を体験できる施設や郷土料理を楽しめるレストラン・カフェなども。おすすめは薩摩武士に愛された「ぢゃんぼ餅」。2本の串がささった一口大の餅で、素朴な鹿児島名物。ぜひご賞味あれ。

【名勝 仙巌園】
場所 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
時間 9時〜17時
定休日 なし
お問合せ先 099-247-1551

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珠玉の輝きとともに薩摩の美がよみがえる

島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館

画像:島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館

1909年に建設され、国登録有形文化財指定の洋館を利用した「島津薩摩切子」の直営店。「仙巌園」の横に建ち、ひときわ目を引く。レトロな雰囲気の空間に、美しい「薩摩切子」の品々が並ぶ。「薩摩切子」は、透明なガラスに色ガラスを被せ、これにカットを施すことで、色ガラスの厚さの変化によるグラデーションを表現した。気品高く繊細なカットと圧倒的な色彩美で現代の暮らしにも華やぎをもたらす「島津薩摩切子」は、鹿児島県指定の伝統的工芸品。

画像:島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館

薩摩藩でのガラス製造は島津家27代島津斉興の代に始まり、化学薬品の薬瓶などを製造していた。そして28代斉彬が藩主になると飛躍的に発展し、紅・藍・紫・緑等の色ガラス開発とともに美術工芸品「薩摩切子」が誕生する。その後、斉彬の急逝、薩英戦争による工場の消失、西南戦争、歴史のうねりとともに「薩摩切子」の製造は途絶える。100年ほど経った1980年代に薩摩切子復元の機運が高まり、かつての技術やデザインを研究、復元製作が開始された。江戸時代の美しさを復元したものはもちろん、近年はモノクロや二色被せなど、新たなデザインの薩摩切子も登場。隣接する薩摩切子工場(月・第3日曜は休業)は見学可能。

画像:島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館
【島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館】
場所 鹿児島市吉野町9688-24
時間 9時〜17時
定休日 なし
お問合せ先 099-247-8490

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鹿児島県鹿児島市 鹿児島黒豚のおいしさを堪能

鹿児島県産黒豚料理 黒福多(くろぶた)

画像:鹿児島県産黒豚料理 黒福多
画像:鹿児島県産黒豚料理 黒福多
画像:鹿児島県産黒豚料理 黒福多

鹿児島黒豚専門店として創業30余年。自慢の黒豚とんかつや黒豚しゃぶしゃぶはもちろん、カレー、カツ丼、豚汁などなど、専門店ならではの黒豚料理を存分に楽しめる。黒豚を余すことなく堪能できる「黒豚づくしコース(3,850円)」、人気メニュー9品としゃぶしゃぶ付きの「しゃぶ膳コース(6,050円)」、コースの他にも各種定食や御膳がメニューに並ぶ。きびなごやさつま揚げなどの郷土料理も豊富。中でも注目は、真っ黒な衣が印象的な「黒かつ」。研究を重ね生まれた竹炭や黒ゴマなど健康に良いとされる黒い食材を混ぜ込んだ特製の黒い衣。鹿児島の「黒文化」に因んだものだ。
鹿児島は古くから「黒豚」「黒牛」「黒酢」「黒糖」「黒じょか」など黒色の名産品が多く、「黒文化」として県民に親しまれてきた。黒い衣は、ほんのり香ばしさと甘みがあり鹿児島県産の黒豚ともよく合う。黒かつメニューは「黒豚上ヒレ黒かつ膳(2,700円)」、「黒豚黒ロースかつ定食(1,600円)」など。

ランチ時には「黒かつロースランチ(1,250円)」で手軽に味わえる。テイクアウトにおすすめは黒豚ヒレカツを使用したボリュームたっぷりの「元祖カツサンド(1,045円)」。熟練の職人が腕を振るった料理の数々で「黒豚」の旨みをしっかり楽しもう。

【鹿児島県産黒豚料理 黒福多】
場所 鹿児島県鹿児島市千日町3-2 かまつきビル1階
時間 11時30分~14時(LO14時)/ 17時30分~22時(LO21時)
※ランチは平日のみ
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)
お問合せ先 099-224-8729

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鹿児島県出水市凛とした武家空間で過ごすひととき

RITA出水麓

RITA出水麓
RITA出水麓
RITA出水麓

鹿児島県出水市に400年前から続く石垣の町並みは、薩摩武士が築いた防衛の砦。「RITA 出水麓」は、そんな薩摩藩最大規模の武家屋敷群である「出水麓(いずみふもと)」に点在する、「宮路邸」「土持邸」「加藤邸」の3棟に全6室を用意した分散型ホテル。「宮路邸」は築約120年の武家屋敷。母屋・蔵・畑という出水麓の武家屋敷を構成する3つの要素が全て現存する貴重な邸宅だ。チェックインは各部屋ともフロントのある「宮路邸」で。

築約120年の武家屋敷「土持邸」は敷地内にかつての母屋と牛小屋だった建物が現存し、薩摩武士の半農半士の暮らしが伺える。「加藤邸」は築約100年の武家屋敷で唯一の一棟貸切り。4名以上の家族連れやグループにオススメの部屋。いずれの部屋もそれぞれの屋敷の特徴を生かしつつ改修され、かつての武家生活の趣を感じながらもスタイリッシュな空間が広がる。バス、トイレは各部屋に完備。

「土持邸」の牛小屋がリノベーションされ、モダンな古民家空間のメインダイニング「Restaurant izuru」として営業。鹿児島の風土と伝統、食文化を基に、炭火焼の調理法を取り入れ、ディナーコースはフレンチと和が融合した創作料理の数々を味わえる全10品、朝食は彩り豊かで北薩の恵みをふんだんに味わえる。季節によって変化する新たな美食体験、一期一会のメニューを堪能しよう。

【RITA出水麓】
場所 鹿児島県出水市麓町18-35(宮路邸)
チェックイン 15時
チェックアウト 10時
お問合せ先 0996-68-8003(9時~18時)

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アイコン 【鹿児島県出水市】
「RITA出水麓」無料宿泊券をペア2組4名さまにプレゼント!

画像:RITA出水麓
画像:RITA出水麓
画像:RITA出水麓
賞品内容 「Restaurant izuru」ディナー付きプラン(夕食・朝食付き)
"炭火焼フレンチと和食の融合"をテーマに、フレンチと和食のエッセンスを巧みに融合したコース料理をご提供します。
武家屋敷ホテルでの滞在と、地域の豊かな食を堪能する、出水麓ならではのオーベルジュスタイルをお楽しみください。
当選者数 ペア2組 4名さま
応募期間 2024年4月9日(火)~2024年4月26日(金)
有効期限 2024年5月7日(火)〜11月29日(金)
除外日:お盆(8月10日〜16日)、土・祝前日

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RITA出水麓 お泊りコメント

出水市といえば、冬季のツルの飛来地として知られているが、「出水麓」と呼ばれる地区には多くの武家屋敷が残されていて、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。江戸時代、薩摩藩は外敵からの攻撃に備え、本城である鹿児島城を中心に、各地に「外城(とじょう)」を配置し武士団を住まわせた。その武家屋敷群は「麓(ふもと)」と呼ばれ、中でも肥後藩との国境に位置する「出水麓」は、重要な拠点の一つ。その名残を残す武家屋敷を活用したホテルが「RITA 出水麓」。今回の宿泊は「土持邸 炊〈 KASHIGI 〉」の部屋。土間の炊事場や当時使われていた風呂場の跡にこしらえた五右衛門風呂など、かつての暮らしの痕が垣間見える造りだ。ゆったりした時間を過ごしてほしいという思いから、テレビや時計は置かれてない。窓際にはカウンターが備えられ、庭の木々を眺めながらの読書など思い思いの時を過ごせる。食事は敷地内のレストランでいただく。フレンチと和食のエッセンスを巧みに融合させ、肉、魚介、野菜など新鮮な食材を活かした創作料理のコース。朝食は旬の魚を使った「だし茶漬け」をメインに、地元の味覚を楽しめるプレート。400年前の面影を残したこの地は、時の流れもゆっくりと感じる。時空を超えた休日の静謐なひと時を。

今回のスポットデータ

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mapアイコン仙巌園

鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
【TEL】099-247-1551
https://www.senganen.jp

画像:mapアイコン磯工芸館

鹿児島県鹿児島市吉野町9688-24
【TEL】099-247-8490
https://www.senganen.jp/food-shopping/shimadzu-satsuma-kiriko-gallery-shop/

画像:mapアイコン鹿児島県産黒豚料理 黒福多

鹿児島県鹿児島市千日町3−2
かまつきビル 1階
【TEL】099-224-8729
http://satsumakurobuta.gorp.jp

画像:mapアイコンRITA 出水麓

鹿児島県出水市麓町18-35
【TEL】0996-68-8003
https://rita-izumifumoto.jp