大人のライフスタイルコラム

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クエスチョン

冬の入浴時にヒートショック
救急搬送される件数が多い地域はどれでしょう?

※暖かい所から急に寒い所に行くと、血圧が急に上昇して心筋梗塞などを起こすことがあります。
このような状態をヒートショックと呼びます。

寒い地域

温かい地域

どちらでもない地域

画像:心臓のアンチエイジング

アンサー

では、答えはどうでしょうか。

答えは・・・3の「どちらでもない地域」

統計でヒートショックで心肺停止になった人を都道府県別に見てみると、最も少ないのが沖縄県、その次に少ないのが北海道でした。最も寒い地域である北海道ではヒートショックによる事故は少ないのです。一方多かった地は寒冷でも温暖でもない地域でした。
このことから、ヒートショックには外気温よりも家の中の温度管理が影響していると考えられます。
リビングは暖かくても、お風呂の脱衣所や浴場がとても寒かったら、服を脱いだ時に体が冷えてしまい、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなるのです。 脱衣所には暖房やヒーターなどを設置して温めておくことは有効です。
ちなみに、寒くて体が冷えた後に湯船に入ると、血管が広がって血圧が下がります。急に血圧が下がると、脳の血液循環が悪くなって脳梗塞や低血圧で意識を失うことがあります。入浴中に意識を失うことは溺水につながってとても危険です。 お風呂の温度は高くても41度まで。できるだけ39−40度に設定しましょう。

心臓を若く保つためのポイント

心臓は年齢とともに機能が低下します。年齢と共に心臓の壁が厚く動きが悪くなり、心臓弁や血管が硬くなるからです。 糖尿病や脂質異常症、肥満のある人、喫煙している人は、さらに心臓病になりやすいので注意が必要です。歳をとるだけで心臓病のリスクは上がるので、長生きするなら心臓を若々しく保つような生活習慣を心がけましょう。

point1食事編

画像:心臓を若く保つためのポイント

狭心症や心筋梗塞は、心臓の周りの血管が動脈硬化になることで起こります。動脈硬化を予防するには、以下のことが有効です。

1.糖質を控えめにする
2.カロリーを摂りすぎない
3.魚を食べる
4.根野菜や海藻から食物繊維をとる
5.飲酒を控える
6.ナッツを食べる
7.納豆などの大豆製品を食べる


食物繊維を十分にとることで、糖尿病リスクを16%減らし、冠動脈疾患の死亡リスクを30%減少します。 リンの過剰摂取によって、血管の石灰化が進みます。加工食品には多くのリンが含まれているので、注意が必要です。野菜、魚を自分で調理することが心臓のアンチエイジングに役立ちます。

point2運動編

ウォーキング、ジョギング、ダンスなどの有酸素運動が心臓のアンチエイジングに有効です。
また、筋トレなどのレジスタンストレーニングもまた心臓に有効です。ある研究によると握力が低い人は心血管疾患の発症率が高いことが分かっています。心臓から血液を送り出す量と、筋肉量は関連が見られていました。筋肉量を増やしておくと、心臓の働きを若々しく保つのに有効だと考えられています。
そして、筋肉量を増やすには成長ホルモンが不可欠です。成長ホルモンを増やすために有効なこと4つをご紹介します。

1.運動する
2.質の良い睡眠をとる
3.空腹を感じる時間を作る
4.魚や肉、チーズなどロイシンを多く含む動物性タンパク質をとる

すでに心臓血管の病気を持っている人が激しい筋トレを行うことは危険を伴いますので、医師に相談してどのような運動が適切かを確認してください。

画像:ウオーキング

解決のためのワンポイント

血圧を下げるためのワンポイント!

ココアやダークチョコレートを摂取する

画像:ココアやダークチョコレートは

ココアやダークチョコレートは血圧を下げ、心臓を若々しく保つのに有効です。プロシアニジンなどのポリフェノールを多く含み、砂糖の少ないものを選んで、カロリー過多で逆効果にならないように気をつけながら、上手に利用しましょう。

画像:山下あきこさん
山下あきこ(やました・あきこ)

医学博士、内科医、脳神経内科医、抗加齢医学専門医、産業医、米国神経学会会員。
現在、医療法人社団如水会今村病院に勤務。人々が幸せと健康づくりを楽しむ社会を目指し、診療活動を続けながら執筆やセミナー活動を行なっている。「ホンマでっか!?TV」や「Z I P!」などのテレビ出演も多数。著書に「やせる呼吸」「こうすれば夜中に目覚めずぐっすり眠れる」「死ぬまで若々しく元気で過ごすための賢い食べ方」「『やめられない』を『やめる』本−脱・依存脳」などがある。